一昨日に出会ったG.HOFFMANN
今日のHOFMANN
どちらもカタカナで書くと ホフマン となります。
でも「F」の数が違います。
ドイツ版ピアノアトラスによると、
「HOFFMANN」とFがふたつのホフマンは、10社あります。
「HOFMANN」、Fがひとつのホフマンは、6社ですね。
「日本のピアノメーカーとブランド」(按可社)によると、
日本でも西川楽器製作所(1884~1921)が日本楽器製造(現:ヤマハ)に吸収合併されるまで横浜市神奈川青木町(なんと!私の生まれ育った町!!)の工場で製作をしていたようです。
アクションを見る限りは日本製とは思えず、質の良いドイツ製部品に見えます。
特にハンマーバットの形状は、20世紀初期のスタインウェイのアップライトによく似た形状です。
西川のピアノはドイツレンナー社のアクションと鉄骨で製作されていたという記録があります。
数十年は調律されていないと思われる音程、高湿度のため戻らなくなってしまったアクション部品が多数あります。しかし発音する音色は明るく良く響き渡り、当時はよい音楽を作れていたのではと思われます。
製造番号は《529》
残念ですが製造番号から製造年を知る資料がありません。
弦と調律ピンは交換された経験があるようです。
黄ばみの強い象牙の鍵盤とすり減った黒檀黒鍵から、今まで多くの時間演奏されてきた楽器であると推測できます。
ピアノ製造に関してはヤマハよりも14年早い1886年に取り掛かった西川虎吉。
その手による西川ピアノのHOFMANNとみられるこの楽器、現在の持ち主の祖父母は東京芸大で教鞭をとられた方だそうです。この歴史ある楽器を次の時代も活かす方法をオーナー様と共に考えていきたいと思います。